転倒は、高齢者が怪我をしたり、骨折したり、障害を負ったり、場合によっては死亡に至る主な原因です。興味深いことに、高齢者の事故の3分の1は家庭内で発生しており、安全だと思われがちな場所です。しかし、十分な準備がなされていない場合、年配者にとって家は思った以上に危険な場所となり得ます。高齢者にとってより安全な家を作るための8つのアイデアを見てみましょう。
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滑りにくい床
危険な場所には滑り止めマットを設置します。床を改修する場合は、木材や合成木材、グラニットタイルなどを選択してください。バスルームには、表面がマットで、触感があるタイルを選び、小さなタイルを選ぶと良いです。なぜなら、グラウトの溝が細かいので、摩擦が増して転倒リスクを減らすことができます。特に重要なのは、床と壁の間で色がはっきりと違うことです。
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必要なスロープ
階段などにはスロープを設けて、車椅子を使う人の力を減らします。勾配は5度を超えず、幅は90cm以上が望ましいです。そして、最大6mごとにスロープ用の休憩所を設けることが大切です。特にドアの前などは、車椅子が滑ってドアを開ける際に転倒するを防ぎます。
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ベッドのサイズは重要
長さが少なくとも180cm、高さが約40cm(車椅子使用時)または床から膝の曲がり角までの高さのベッドを選んでください。ベッドの3辺には各90cmの空間を設けると、立ち上がりや歩行が便利で、狭すぎるスペースで家具や物に足をぶつけることを防げます。
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出入口が使いやすい
幅が90cm以上のドアを選び、車椅子がスムーズに移動できるようにします。ドアノブは、ひねる力を必要としないレバータイプが高齢者にとって使いやすいです。
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さまざまな場所の手すり
階段、バスルーム、廊下の壁など、さまざまな場所に手すりを設置します。床から80~100cmの高さに設置し、使用目的に応じて異なるタイプの手すりを選択します。例えば、短い手すりは体を支えるため、長い直線の手すりは廊下の壁に設置し、L字型やV型の手すりは立ち上がりや座るときに体を支えるのに役立ちます。
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明るい照明が必要
浴室、廊下、階段など、リスクの高いエリアにはデイライトの明るい照明を使用し、物にぶつかったり躓いたりするのを防ぎます。スイッチは5~7.5cmのサイズで手の届く範囲にあり、スイッチを入れる時に明るくなることが望ましいです。設置高さは床から最低45cm、最高で90cm以内が理想です。また、リモコンで電気をオンオフする技術も利用できます。
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便利な機能の家庭用品
棚やクローゼットは、高さを調整できる機能を備えていると良いでしょう。これにより、高齢者が物を取る際に不自然な体勢にならず、バランスを崩して転倒するのを防ぎます。たとえば、レベル調節可能なハンガーラックや、棒の高さを調整できるクローゼットなどです。
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緊急時の装置
安全性を高めるため、追加装置の設置が推奨されます。例えば、浴室内の緊急時に引くスイッチ、設定した番号に自動的に電話をかける緊急ボタン、介護者を呼び出すためのベッドサイドのパネルスイッチなどです。
家族の中に転倒のリスクが高い高齢者がいたり、転倒が心配な場合は、転倒リスク評価(Fall Risk Assessment)を受けさせるべきです。これには、筋肉の強さや視力の評価など、医歴の確認と身体検査が含まれます。そして、Balance Masterや水中療法、物理療法といった個々のニーズに合わせたリハビリテーションプログラムを計画します。
家の環境を整え、適切なケアを提供することは、高齢者の事故のリスクを大幅に減らすことができます。しかし、想定外の事故が起きる可能性は常にあります。高齢者が転倒事故に遭った場合は、直ちに病院に連れて行き、負傷した部位や打撲した部位のX線検査を行う必要があります。高齢者の骨は、特に股関節や脊柱など、骨折しやすくなっています。また、体のどの部分であれ骨折がある場合、バンコクインターナショナルホスピタルの骨と関節センターは、専門医と物理療法士のチームが、再び動くことができるように治療とケアを提供します。詳細は、1719までお問い合わせください。
参考文献
- Kind Heart Home Guide: You Designed, by the Association of Siamese Architects under Royal Patronage, supported by the Health Promotion Fund Office.
- Health Systems Research Institute (HSRI) website.
- バンコク骨折治療センター Bangkok International Hospital.