体に異常が生じた場合、どの器官に異常があっても無視したり、自分で大したことがないと思わないことが重要です。特に、肌や目が黄色くなっていることを自覚したり、他人に指摘された場合は、警告のサインとして注意が必要です。これは体の正常な状態ではなく、予想外の深刻な危険が潜んでいる可能性があります。
黄疸について知る
黄疸は、血液中のビリルビン(Bilirubin)という物質の量が2~3 mg/dLを超えることで起こります。正常な黄疸(Physiologic Jaundice)は、新生児に見られ、異常な黄疸は、病理的黄疸(Pathologic Jaundice)とみなされます。胆汁道閉塞による黄疸は病理的黄疸の一種であり、注意が必要です。
黄疸の診断
黄疸の患者が医師の元を訪れた際には、患者の医歴の聞き取りや黄疸が悪化しているかの身体検査を行います。黄疸の期間、過去に黄疸を経験したか、尿が濃い色をしているか、便が薄い色かどうかなどが重要なポイントです。薄い色の便は、胆汁が腸に到達していない、胆汁が排出されていないことを意味し、これは胆管閉塞の特徴です。ただし、胆汁が初期にはまだ残っているため、全ての患者で便の色が薄いわけではありません。また、アルコールの摂取歴、薬の使用歴、肝炎ウイルスの感染、海外旅行の歴史、家族の遺伝性血液疾患の歴史、既往症なども考慮する必要があります。
胆道閉塞と黄疸
黄疸は、肝臓に関連する病気やコンディションなど、様々な要因で起こり得ますが、胆道閉塞(Obstructive Jaundice)もその一因です。一般的に目で最も明確に見られる症状は、目の白い部分が黄色くなることです。肌の色が黄色く見える場合もありますが、皮膚の色が濃い場合、黄疸が目立ちづらくなります。しかし、明確な症状がなくとも、年に一度の健康診断で肝機能の異常が発見されることがあります。
胆道閉塞の主な原因
最も一般的な胆道閉塞の原因は、胆のうに形成された結石が胆道に落ちて閉塞を引き起こすことです。閉塞の位置によって、肝内の塊や胆道の腫瘍、胆のうの腫瘍が胆道を圧迫している可能性も考えられます。また、胆道の末端での閉塞は、その領域の腫瘍、例えば膵臓がん、胆道がん、胆嚢がん、小腸がんの初期の部分によることがあります。
胆道閉塞に油断は禁物
胆道閉塞では、ある患者は生活に支障がない場合もありますが、胆汁やビリルビンの数値が高まると、胆道で感染症が発生しやすくなります。これにより消化システムがうまく機能せず、胆汁が食物を分解できずに腹痛や急性の高熱、周期的な症状が現れます。適切な治療を受けない場合、胆道感染により敗血症や循環障害が起こり、最悪の場合、死亡に至ることがあります。特に高齢者では病状が重くなる傾向にあります。
組織やがんによる胆道閉塞の原因がある患者では、食欲不振や異常な体重減少、腹痛の症状が少ないことがあります。この場合、状態が進行すると体のさまざまなシステムの機能が低下し、さらに重篤化します。
特に注意すべきは、胆道炎です。胆道閉塞が原因で感染症が発生し、小腸の近くの胆道が急性炎症を起こします。患者は高熱、黄疸、腹痛といった症状で来院します。この状態は非常に危険であり、適切な治療を受けない場合、命を落とす恐れがあります。
胆のう結石による黄疸
胆のう結石の経験がある人は、黄疸と右側の肋骨の下の腹痛がある場合、胆のう結石が胆道を塞いでいる可能性を疑うべきです。胆道閉塞に関連した黄疸かどうかを診断するため、超音波検査で胆道に結石があるかを調べ、Endoscopic Retrograde Cholangio – Pancreatography (ERCP)で結石を取り除く治療を行います。胆道閉塞による黄疸は、全体的に見ても、胆のう結石が最も一般的な原因で、10~20%の場合に再発する可能性があります。
早めに医師の診察を受ける
黄疸の原因は多岐にわたるため、初期症状を感じたらすぐに医師の診察を受けることが最良です。胆道閉塞からくる黄疸が、肉腫やがんによる場合、1~2ヶ月放置してしまうと治療が困難になり、治療法が緩和ケアへと変わることがあります。従って、黄疸を自覚したらすぐに医師に相談し、正確な原因を特定し、迅速に治療を受けることが重要です。
胆道閉塞は、どの年齢層でも発生し得ます。黄疸や目の黄色が見られたら注意が必要です。可能な限り早く専門医に診てもらい、適切な診断と治療を受けるべきです。